カヤネズミの生息地を守る

里地はほとんどが私有地であることから、現場で活動されている方は開発や管理のあり方をめぐって土地所有者と交渉する場面も多いと思います。今回は、カヤネズミが生息する一般サイトで管理者と利用方法について話し合い、生息地を守った事例をみなさんに紹介します。
 京都市にある「桂川河川敷地区」は、桂川流域の重要なカヤネズミの生息地です。しかしこの地に自治会の水防訓練が計画され、カヤネズミの生息地に配慮するよう意見書を出していたにも関わらず、土嚢置き場やテント設営のために 5月上旬に草刈りが決行されてしまいました。6 月に市民団体がカヤネズミ調査を行った結果、カヤネズミが繁殖できない場所となっていたことが分かりました。市民団体では次年度もこの場所で水防訓練が行われないよう、関係者が協議する場を要望、環境省生物多様性センターからも京都市へ情報提供を行い、NACS-Jでも市民団体からの相談を受け、現場の重要性を示す資料の作成を行いました。その結果、市・国土交通省・水防組合・市民団体の 4者で現地打ち合わせが行われました。現場打ち合わせの際、水防訓練地を下流側の主に外来種が優占する草地に変更できないか、という代替案を市民団体から出しました。これは、カヤネズミの生息地の保全と外来種管理にとって両方でプラスになるもので、行政からも受け入れられました。
 このサイトの注目点は、継続した調査結果を活かし、草刈りの影響をデータで示したこと、そしてより良い代替地を提案できたことにあると思います。このような事例を参考にモニタリング調査のデータを現場にご活用ください。詳細は次のホームページをご覧ください。

○乙訓桂川愛護会 「河川敷の生物多様性と水防訓練」

http://pub.ne.jp/kisanjimono65/?monthly_id=201005

○NACS-Jモニ1000里地調査速報No. 6より(※PDF)

http://www.nacsj.or.jp/project/moni1000/pdf/newsletter06-1010.pdf